マツダのディーゼル技術の凄さをVWショックで再認識…NOx後処理装置がない – 気になる車ブログ

マツダのディーゼル技術の凄さをVWショックで再認識…NOx後処理装置がない

ディーゼルエンジンの排ガス規制に対し、独フォルクスワーゲン(VW)が自動車メーカーにあるまじき不正行為を行い、世界に大きな波紋を投じています。日本ではマツダのSKYACTIV技術によるディーゼル エンジン車が評価を得てその復活が進んでいるだけに、影響が懸念されます。しかし、良くも悪しくもディーゼルへの 注目が高まるので、同社の革新的なディーゼル エンジン技術への認知が逆に広まる機会ともなると管理人は考えています。

この事件を受けて念のためマツダに問い合わせると、VWが不正を行った排ガス性能を制御するようなソフトは、当然のことながら「搭載していない」(国内広報部)。さらに世界各国・地域での排ガスなどの審査についても適正な認証を得ていると強調(当然ながら・・・)。

VW事件の震源地である米国でのマツダ車の販売は、1-6月で前年を2%上回り堅調に推移している。また、北米へのディーゼル エンジン車は「発売を検討している段階」(同)と未投入なので、ディーゼル エンジンを巡る当局の調査などによる混乱は起こりようがない。

VW が不正に手を染めることになったNOx(窒素酸化物)は、大気中の濃度や気候によって人体に有害な光化学スモッグを起こすという厄介なシロモノ。ディーゼル エンジンの排ガス 技術開発は、主にNOxとの闘いとなる。ディーゼル エンジンはガソリンエンジンよりも高圧縮状態で、軽油と空気の混合気を自然着火させて燃やす。 燃焼室は高温、高圧になるため軽油と空気が十分に混ざる前に着火しやすく、これがNOxやススなどのPM(粒子状物資)を増やす原因となる。

「ク リーンディーゼル」と呼ばれ、各国・地域の最先端の排ガス規制をクリアするディーゼル エンジンでは通常、NOxの低減には触媒、あるいは排ガスと尿素水を反応させるなど の後処理を施している。トヨタ自動車も今年開発した2.5リットルと2.8リットルのSUVや ピックアップトラック用の新世代ディーゼル エンジンに採用したが、この復活したトヨタのディーゼルは、NOxを処理する装置に尿素を注ぎ足してゆく必要があり、マツダのそれとはまったく別の、旧式の考え方を元に成り立っている。

マツダのSKYACTIV-Dと呼んでいるディーゼル エンジンには、そもそもNOxの後処理装置がない。ディーゼル エンジンでは常識外れともいえる低圧縮比にしたエンジンでの燃焼により、NOxなどの抑制につなげているのだ。つまり、ディーゼル エンジンでは通常18程度となっている 圧縮比を、『CX-5』などに搭載されている2.2リットルのSKYACTIV-D(2012年発売)では14.0とし、世界の自動車用ディーゼル エンジンでは最も低い。
◆常識外の低圧縮燃焼でディーゼル復活をけん引

このような低圧縮比では、寒冷時や始動時などエンジンが温 まっていない状態では混合気が着火できなくなる。ディーゼル エンジンの低圧縮比は、まさに常識外だった。しかし一方で、低圧縮比だと排ガスが飛躍的にクリーンになること も分かっていた。マツダは、吸気バルブを開けるタイミングを遅くし、1度閉じた排気バルブを吸気中に再び少し開けるといったバルブの独自制御などにより、 難題だった低圧縮比での燃焼技術を確立した。

低圧縮化によってエンジンは比較的コンパクトにでき、排ガス関連システムの簡素化によって コストの縮減や軽量化も実現できた。マツダの国内販売は、14年に1.5リットルも加わったSKYACTIV-Dシリーズ搭載車が高い評価を得て快走して いる。15年上期(1-6月)は国内市場全体が前年同期比11%減と低迷するなか、マツダ車は15%増の13万9100台と大きく伸ばしている。このうち 5車種を販売しているディーゼル エンジン車が前年実績の約3倍に相当する6万2000台と、伸びをけん引している。

国内総市場の乗用車に占めるディーゼル エンジン車比率は、足元で3%程度にとどまるが、00年代のほぼゼロ状態からSKYACTIV-Dの投入を契機に復活が進んでいる。ディーゼル エンジン車の力強い走りや燃費および排 ガス性能が再評価され始めた矢先のVWショック。しかし、販売店を含むマツダ陣営にはSKYACTIV-Dの特質をしっかりとユーザーに訴え、これを機に 世界のディーゼル エンジンのけん引役を担うチャンスとしてもらいたい。

かつて、世界中のどこのメーカーも実現し得なかったロータリーエンジンの実用化を果たした技術オタク軍団のマツダなら、今度こそ世界に冠たる技術オタクとなっていただきたいですね。

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